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クリーンルームの恋、駐車場の告白――高校最後の夏に揺れた心 2/3

エッセイ・体験談
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仕事も休憩も、彼女の存在で輝く日々

それからというもの、仕事の時間も楽しいのだが、何よりも休憩時間が待ち遠しくてたまらなかった。由美子さんと過ごすひとときが、僕の毎日のモチベーションになっていた。休憩室では、由美子さんの同僚の方々とも自然と会話するようになり、いつしか「由美子さんのこと、好きなんでしょ?」とからかわれることもしばしば。由美子さんは「そんなんじゃないって……」と苦笑いで否定するのだけど、僕はそのやりとりさえも嬉しくて仕方がなかった。

「こんなに毎日が楽しくていいのか?」と、心のどこかで自分に問いかけていた。

同期たちの応援と、それぞれの青春

4733 クリーンルームの恋、駐車場の告白――高校最後の夏に揺れた心 2/3

アルバイト入社の同期3人――後藤君、安武さん、出口さんにも、由美子さんのことは話していた。僕が彼女に惹かれていることも、みんな知っている。3人とも恋愛経験はなく、同じように誰かに淡い想いを抱きながら、僕の恋を応援してくれていた。みんなそれぞれの部署で気になる人がいるようだったが、なかなか思い通りにはいかない様子だった。

「告白しろよ!」
「今しかないって!」

そんなふうに背中を押してくれる仲間の存在が、どれほど心強かったことか。

夏の終わりと、募る想い

夏休みも終盤に差し掛かり、僕の心には焦りが生まれていた。理由はただひとつ、夏が終われば由美子さんに会えなくなるかもしれないからだ。
「好きです」と伝えるだけなのに、どうしてこんなに難しいのだろう。バイト先でしか会えない関係、周囲の視線、そして何より自分の勇気のなさ――いろんな思いが頭の中をぐるぐると巡る。

「どうやって告白すればいいんだろう?」

同期たちは「絶対に伝えたほうがいい」と背中を押してくれる。けれど、いざとなると口が重くなる自分がいた。

休憩室でのチャンスと、すれ違い

そんなある日、由美子さんと二人きりで休憩に行くチャンスが訪れた。休憩室にはまだ誰もいない。
「今しかない、今こそ伝えよう」
心の中で決意し、言葉を紡ごうとしたその瞬間――

「ガチャ」

休憩室のドアが開き、数人の同僚たちがワイワイと入ってきた。
「ああ、ダメだ……」
せっかくのタイミングが、またしてもすり抜けていく。自分の勇気のなさと、運の悪さを呪いたくなった。

予想外の展開、駐車場での再会

その日の仕事終わり、僕が更衣室で着替えを済ませていると、由美子さんが声をかけてきた。

「ねえ、ちょっとだけいい?」

「じゃ、駐車場に行きますね」

何だろう? まさか告白? 期待と不安が入り混じる。僕は自転車通勤だったので、自転車を取りに行き、そのまま駐車場へ向かった。由美子さんが乗っている車――ダイハツMIRAのXXターボ――は、すでに調査済みだ。

駐車場に着くと、由美子さんは窓を開けて「こっちにおいで」と手招きしてくれた。エアコンの効いた車内に招かれ、ドアを閉めると、ふわっといい香りが漂う。僕は緊張と興奮で心臓が破裂しそうだった。

予感と不安、そして――

「何だろう、この展開……。まさか、由美子さんから告白?」

心の中で期待が膨らむ。けれど、現実はいつも思い通りにはいかない。
この後、僕の想像をはるかに超えた出来事が待っていた――。

次回に続く

【記憶のかけらQUEST】シリーズ

日々の暮らしの中で、ふとよみがえるあの瞬間――。
忘れかけていた記憶の断片、心に残る出来事、そして今も胸に響く感情。
「記憶のかけらQUEST」は、私自身の人生の中で出会ったさまざまなエピソードを、フィクションやノンフィクションを織り交ぜながら綴る新しい連載シリーズです。

昭和から平成、令和へと移りゆく時代の中で、誰もが一度は感じたことのある青春のきらめきや、ほろ苦い思い出、ちょっとした冒険や日常の小さな奇跡――。
そんな「かけら」たちを一つずつ拾い集め、物語として皆さまにお届けします。

このシリーズを通じて、読者の皆さんの心にも、どこか懐かしい風景や感情がそっとよみがえることを願っています。
どうぞ、「記憶のかけらQUEST」と一緒に、人生の旅をお楽しみください。

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